新型コロナウイルスが原因で亡くなった人が、2024年8月までに13万人を超えたことが厚生労働省の人口動態統計でわかった。新型コロナが「5類感染症」になり、感染対策が緩和された23年5月以降に亡くなった人が約4万4千人で、3分の1を占めた。
新型コロナは5年前の20年1月15日に国内で初めて感染者が確認された。
24年8月分まで公表されている人口動態統計によると、新型コロナが原因で亡くなった約13万2千人のうち、20歳未満は141人、20~30代は295人、40~50代は3006人。80歳以上は10万720人で、76%を占めた。
21年春に流行したアルファ株や同年夏のデルタ株は、若い人でも重症例が目立ち、21年は65歳未満の死者が全体の11%を占めた。一方、ワクチンが普及し、オミクロン株が主流になった22年以降は、65歳未満の死者は全体の3%ほどになっている。
新型コロナ感染後に亡くなる場所も変化している。20年には約96%が病院だったが、22年以降は4人に1人が介護施設や老人ホーム、自宅などで亡くなっている。
新型コロナは23年5月、感染症法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に変わった。感染者の全数把握がされなくなり、約5千の定点医療機関で診た患者数が報告されるようになった。
5類になって以降の流行のピークをみると、定点医療機関あたりの患者数は減少傾向が続く。だが、入院者数は3千~4千人で減っていない。
国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫・国際感染症センター長は「入院患者は多いため、診断されていない無症状あるいは軽症の新型コロナの患者も相当数いると考えられる。流行の全体像が見えにくくなっているが、規模はかなり大きいのではないか」と話す。
医療機関側も感染対策に慣れ…